2020-07-09

[コラム]サブリース規制について

昨日、「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律案」が、参議院で可決成立しました。公布後1年以内に施行されます(サブリースに関する行為規制は6ヵ月以内施行)。

 

その内容を簡単に言ってしまうと、

・誇大な広告をやめましょう

・減額リスクについてはきちんと報告しましょう

・オーナーに対して重要事項説明を義務付けましょう

・賃貸住宅管理業を営む者の登録制度をつくりましょう

ということのようです。

 

サブリースが社会問題化してから久しいです。私自身も、実家の方で某大手デベロッパーの会社から熱烈なサブリース契約の営業を受けたことがありました。その営業方法たるや尋常なものはなく、最後は本当に営業が泣きながら土下座してお願いしてくるというような有様でした。

 

勿論私は断りましたが、近所の方々はその強引は営業に負けたのか次々に所狭しとアパートが建設されていきます。当然の如く、近隣の空室率は上がり、今やどのアパートも目も当てられない経営状況です。

 

それはそうです。いくら開発が進んだ土地だからといって、地域の人口減少を鑑みれば明らかな供給過多でした。

 

ある方は持ち出しがかなり発生していると嘆いていました。その方は、賃料保証がされているのは10年だけで、あとは下る可能性があるというのを知りませんでした。

 

どの程度客付けの努力を業者はしていたのか。推して知るべしといった所です。

 

私が考えるこの最大の問題は、業者自身がそのサブリース物件の販売営業を受けた時に、本当に自分自身が欲しいものなのかという話です。正味な所、半分以上のサブリース物件がそのようなものではないと私は思っています。

 

勿論、泣き落としなどに騙されてしまう方が悪いという事も否定できません。しかし、そもそもの社会構造として、営業が無理やり売りつける事が生きていく為に当たり前といった風潮は、実は工夫と考え方次第であっさり変えることができると私は考えています。

 

これは私の信念ですが、自分が欲しくないものを相手に勧めてはいけないということです。品質が悪いものを勧めるのは勿論のこと、いくら品質が良くても法外な値段のものは同じことだと思っています。

 

これがまかり通ってしまっていたのが、多くのサブリース物件だったと思っています。

 

勿論OWNERS REPORTを使用して、サブリース案件を取り扱うことも出来ます。その使い方にはひと工夫が必要だとは思いますが、問題なく使えた実績があります。

 

大事なのは情報を隠さないこと。都合の悪いことでもオーナー・不動産会社の両方で開示し合うこと。急いては事を仕損じます。お互いの信頼関係をしっかり築き合って、息の長い築いていって頂きたいものです。